エアコンの設定温度26度の電気代は?冷房と暖房に分けて解説
エアコンの設定温度を26度にしても、電気代が下がるとは限りません。電気代の節約を図るなら、温度設定よりも運転の安定化や空気の循環を意識することが大切です。
本記事では、エアコンの設定温度26度の電気代や節約のコツをご紹介します。
エアコンの設定温度26度の電気代はいくら?

エアコンの設定温度を26度にした場合に電気代はどのくらいかかるのか、パナソニックの6畳用エアコン「CS-223DFL」を例に計算します。
電化製品の電気代は、以下の式で計算できます。
1時間あたりの電気代:消費電力量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)
電気料金単価の目安は、家電公取協で令和4年7月22日に改定された31円/kWhを用います。また、エアコンの使用時間は1日8時間と仮定します。
※出典:よくある質問Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会
【冷房】エアコンの設定温度26度の電気代
「CS-223DFL」の冷房時の消費電力量は225kWhです。電気代の目安は次のようになります。
| 電気代 | |
|---|---|
| 1時間あたり | 約6.98円 |
| 1日あたり (8時間) | 約55.84円 |
| 1カ月あたり (30日) | 約1,675.20円 |
設定温度にかかわらず、冷房時の電気代は暖房時より安くなる傾向があります。
【暖房】エアコンの設定温度26度の電気代
「CS-223DFL」の暖房時の消費電力量は492kWhです。電気代の目安は次のようになります。
| 電気代 | |
|---|---|
| 1時間あたり | 約15.25円 |
| 1日あたり (8時間) | 約122.02円 |
| 1カ月あたり (30日) | 約3,660.48円 |
暖房の電気代が冷房より高くなるのは、夏より冬のほうが外との温度差が大きくなりやすいからです。
部屋を暖めるためにより多くのエネルギーを必要とするため、暖房時のほうが冷房より電気代が高くなります。
エアコンの設定温度26度は適切?

設定温度26度が適切かどうかは、冷房か暖房かで変わります。エアコンの設定温度と電気代の関係を理解したうえで、エアコンの設定温度26度が適切なのかどうかを確認しましょう。
そもそもエアコンの設定温度とは
エアコンの設定温度は、室外機が運転を停止する目標の室温を示すものです。吹き出す風の温度や現在の室温ではありません。
設定温度に近づくと室外機は停止しますが、室内機は送風運転を継続します。暖房や冷房が一時的に止まるため、効きが悪くなったと感じることもあるでしょう。
室温は本体が吸い込んだ空気の温度で判断されますが、外気温・断熱性・気流・湿度などの影響で変化します。そのため、「設定温度=実際の室温」とはならず、設定変更で風の温度が直接変わるわけでもありません。
冷房時の設定温度26度は適切
環境省が推進するクールビズでは、適正な室温を28度としていました。冷房の設定温度も、26~28度が快適さと省エネの両面で推奨される範囲であるため、冷房時の設定温度26度は適切だといえます。
※出典:適切な室温管理について|環境省
「直射日光が入りにくい」「部屋の断熱性が高い」「サーキュレーターで空気の循環ができている」など、室温が下がりやすい環境であれば、27~28度でも十分に快適です。
逆に湿度が高い日は、温度よりも除湿を優先すると体感が涼しくなります。
暖房時の設定温度26度は高すぎる
環境省ではウォームビズの指針として、暖房時の室温を20度前後にすることを推奨しています。これは設定温度ではなく、実際の室温を20度前後に保つことで快適性と省エネを両立する考え方です。
※出典:ウォームビズとは|環境省
暖房の設定温度26度は推奨温度より6度も高く、電力消費量の増加につながります。また、室内の乾燥を促すため、喉・肌への負担や睡眠の質の低下を招く可能性もあります。
室内外の温度差が大きいほどエアコンの負荷が増え、電気代が上昇しやすいです。
冬に快適さを確保しながら節電するには、エアコンの設定温度20度前後を基準に、厚着・加湿・サーキュレーターなどで体感温度を調整するほうが効率的だといえるでしょう。
設定温度と電気代の関係
エアコンは設定温度を1度変えるだけで、電力消費量が大きく変動します。
一般的な目安は、設定温度を1度変えると冷房は約13%、暖房は約10%の電力が増減し、設定温度と室内・外気温との差が大きいほど電気代への影響も増大します。暖房時は外気との温度差が大きくなりやすい分、電力負荷が高まり、電気代が高くなる原因になります。
※出典:家庭部門のCO2排出実態統計調査|環境省
設定温度をこまめに上下させるよりも、無理のない温度で一定運転を続け、サーキュレーターや加湿で体感温度を調節するほうが効率的です。
エアコンの「つけっぱなし」と「こまめに切る」はどっちがお得?

「つけっぱなし」と「こまめに切る」のどちらがエアコンの電気代の節約になるのかは、状況によって変わります。外出時間や外気温、部屋の環境に応じて、適切な使い分けが必要です。
基本的にはつけっぱなしがお得
エアコンは室温を安定した状態に保つほうが消費電力を抑えやすいため、基本的につけっぱなし運転の方が電気代の節約につながります。
とくに、運転開始直後は設定温度まで到達させるために大きな電力を消費し、短時間のオンオフを繰り返すほど消費電力が多くなります。
室温が安定していれば、エアコンは微調整運転(弱運転・サーモオフ・省エネ制御)で済み、無駄な電力を消費しにくいです。頻繁な再起動よりも室温キープを優先した連続運転のほうがエネルギー効率は高く、結果として電気代も安くなります。
外出する場合は時間や外気温で判断
外出時間が1時間以内なら、基本的にはつけっぱなしがおすすめです。1時間という短期間にオンオフを切り替えるよりも微調整運転の方が消費電力を抑えられるうえ、帰宅後もすぐに快適な環境で過ごせます。
短時間の外出時につけっぱなしとこまめに切るで迷う場合は、室温と外気温の差で判断しましょう。外気温との差が大きい猛暑・厳冬日は、つけっぱなしのほうが効率的です。
冷房時は外気温が35℃以上の猛暑日ではつけっぱなしの方が電気代を抑えられ、30℃程度ならこまめに消す方が節約になるとされています。
※出典:エアコン|Panasonic
また、暖房時は外気温が3℃より低い場合、30分の外出でも室温が大きく下がるため、つけっぱなしの方が有利とされています。
※出典:エアコン|Panasonic
エアコンをつけっぱなしにするメリットとリスク
エアコンのつけっぱなし運転は、快適性を維持できるメリットがありますが、環境の変化や機器負荷の蓄積といった点は無視できません。
- 室温が安定し快適な状態が続く
- 高負荷の運転が抑えられ電力消費が少ない
- 急激な温度変化によるヒートショックなどのリスク低減
- 切り忘れや入れ直しの手間がない
- フィルターにホコリが溜まりやすい
- 自動お掃除が動作しない(頻度が落ちる機種もある)
- メンテナンス不足、長期時間稼働は電気代の上昇につながる
- 長時間稼働による部品の劣化
- 空気が乾燥し肌・喉・睡眠に影響
健康面や機器のメンテナンスも考慮し、節電対策を行いましょう。
エアコンの電気代を節約する方法

エアコンの電気代は、使い方と住環境の工夫で大きく変わります。無理に設定温度を変えるのではなく、エアコンの効率を高めるのが節電の近道です。
フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルター掃除は、消費電力の削減につながる節電対策です。
フィルターにホコリが詰まると空気の吸い込み量が減り、設定温度に到達するまで余計な電力を使うため、運転効率が落ちて電気代が増加します。
掃除の目安は2週間に1回、特に使用頻度が高い季節はこまめな手入れが必要です。年間で1万円以上の節約効果を期待できるケースもあります。放置するほど省エネ効果が失われるため、定期的なメンテナンスが電気代削減の基本になります。
※出典:エアコン|Panasonic
サーキュレーターを併用する
サーキュレーターは、部屋の空気を循環させ、温度ムラを減らして室温を均一にする電化製品です。
暖房時は暖かい空気が天井付近に溜まりやすく、冷房時は冷気が床付近に溜まりがちですが、サーキュレーターで空気を動かすことで冷気・暖気の偏りを防げます。
結果的にエアコンがフルパワーで稼働する時間が減り、冷暖房の無駄な電力消費を抑制できます。暖房時はサーキュレーターを上向きに、冷房時は水平方向からやや上向きに風を送るのが効果的です。
自動運転機能を活用する
エアコンの自動運転は、室温に合わせて風量と出力を最適化し、無駄な電力消費を抑える省エネ運転です。
温度到達までは強めの風量で効率よく調整し、その後は微調整に切り替えるため、快適さと節電の両立が可能です。
風量を手動で固定すると負荷調整ができず、運転効率が落ちて電気代が上がりやすくなります。
弱風で固定すると室温到達に時間がかかり、結果的に長時間運転となって消費電力が増えるケースもあります。
室外機の周囲を片付ける
室外機の周囲に障害物があると、排熱がこもり冷暖房効率が低下して電気代増加の原因になります。
また、直射日光で本体の温度が上がると余計な電力を消費しやすくなるため、日陰やサンシェードなどの日除け対策が効果的です。
吹き出し口を塞がない・上下左右のスペース確保・熱がこもらない設置環境を整えるだけで、エアコンの負荷を減らし省エネ運転につながります。室外機周辺の定期的な確認と環境改善は、節電の大きなポイントです。
部屋の断熱性を高める
冷暖房の効率は部屋の断熱性、特に窓の熱対策で大きく変わります。冷気や暖気の多くは窓から外へ逃げるため、厚手カーテン・断熱シート・すきまテープなどで熱の出入りを抑えるだけでも、節電効果が高くなります。
カーテンを閉めることで、夏は日差しの熱を遮断し冬は保温で暖気の流出を防げるため、エアコンが室温を整える負荷を軽減することが可能です。
窓対策は数百~数千円台から始められるうえ、効果が出るのも早く、省エネ対策のなかでも費用対効果が高い方法です。
湿度を調整する
湿度のコントロールは体感温度を変え、エアコンの設定温度に頼りすぎない環境づくりができます。
冷房時は湿度を下げることで涼しさを感じやすくなり、設定温度を1~2度上げても快適さを維持できます。暖房時は湿度を上げると低めの設定温度でも暖かさを感じやすく、電力消費の削減につながるでしょう。
加湿器や濡れタオル、エアコンの除湿機能などを使い、過度な温度変更をせずに快適さをキープしましょう。
最新機種に買い替える
エアコンは古い機種ほど消費電力が大きく、最新モデルは省エネ性能が大幅に向上しているのが特徴です。特に10年以上使用している機種は、省エネ基準やコンプレッサーの性能の違いで、電気代が高くなりやすい傾向があります。
エアコンの補修用部品の保有期間は一般に10年であるため、10年を超えると修理対応が難しくなります。効率が落ちたまま使い続けるより、省エネ・電気代・性能・安心面を総合的に見て買い替えを検討するほうが、負担軽減につながるでしょう。
電力会社を見直す
エアコンの電気代は電気使用量だけでなく、契約している電力会社やプランでも変わります。
電力自由化以降は電力会社の選択肢が増え、基本料金の有無や従量料金の単価、時間帯料金などの違いがでるようになりました。
セット割引や時間帯によって料金が変わるプランなど、自分のライフスタイルにあった電力会社を選びましょう。
設定温度と使い方を工夫して電気代を無理なく節約

エアコンの設定温度26度は、冷房では快適さと省エネを両立しやすい温度です。
一方、暖房では高めの温度設定のため、電気代が高くなりやすく、部屋が乾燥しすぎるといったデメリットが多いです。
エアコンの節電のポイントは、温度設定だけに頼らないことです。運転効率と住環境を整える工夫が、電気代の削減につながります。
快適さを維持しながら無駄な電力消費を抑えられるエアコンの使い方を意識しましょう。

