都市ガスとプロパンガスはどちらが高い?特徴や料金・節約のポイント
ご家庭で利用するガスには、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類があります。どちらを使うかによって料金や利便性、災害時の対応力が異なります。
都市ガスとプロパンガスの特徴や料金制度、切り替え時の注意点などを理解しておきましょう。
都市ガスとプロパンガスの違い

都市ガスとプロパンガス(LPガス)は、原料や供給方法、料金体系などに明確な違いがあります。まずは、それぞれの特徴を押さえておきましょう。ご家庭の環境やライフスタイルに合った選択がしやすくなります。
都市ガスの特徴
都市ガスは、主に天然ガスを原料としており、地下の導管を通じて各ご家庭に提供されています。
都市部では導管網が整備されており、各家庭に効率よくガスを届けられるため、料金が比較的リーズナブルなのが特徴です。
一方、導管のない地域では利用できず、離島や山間部などの地方では、ほとんどのエリアで都市ガスは利用できません。
プロパンガス(LPガス)の特徴
プロパンガスは、液化石油ガス(LPガス)をボンベに詰めて各家庭に配送・設置する仕組みです。配管網を必要としないため、山間部や離島など都市ガスが供給されていない地域でも利用できます。
熱量が高く、調理や給湯の効率が良い点も魅力です。また、災害時に個別対応がしやすく、復旧の早さでも評価されています。
ただし、ボンベ配送の手間やコストがかかるため、一般的に都市ガスより料金が高くなる傾向があります。
【エリア別】都市ガスとプロパンガスの料金比較

都市ガスとプロパンガスは、基本料金と使用量に応じた従量料金で構成されている点は共通です。
そこで、各地のガス会社や石油情報センターなどのデータを基に、エリアごとの都市ガス・プロパンガスの料金を比較してみましょう。
北海道・東北エリア
北海道・東北エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点で次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 北海道 | 3,053円 (北海道ガス) | 11,084円 (熱量換算後4,970円) |
| 東北 | 3,895円 (東北ガス) | 10,174円 (熱量換算後4,561円) |
※出典:ガス料金|東北ガス株式会社
※出典:石油情報センター
都市ガスは北海道ガスと東北ガスの10月検針分において、10m³使用した場合の料金を掲載しています。
プロパンガスは、石油情報センターの「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報(毎月調査)」において、2025年9月30日分の10m³にあたる料金がベースです。
ただし、プロパンガスの熱量は都市ガス比で2.23倍のため、熱量換算後の推定料金も記載しています。以下、各エリアの料金比較においても同様とします。
関東甲信越・北陸エリア
関東甲信越・北陸エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点では次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 関東甲信越 | 約2,385円 (東京ガス) | 約8,597円 (熱量換算後3,855円) |
| 中部 (北陸) | 約2,699円 (北陸ガス) | 約9,005円 (熱量換算後4,037円) |
※出典:料金表および料金試算 | 北陸ガス
東京を含む関東甲信越エリアの場合、都市ガスは東京ガスの10月検針分の料金(10m³使用した場合)を計算し、記載しています。また北陸エリアは、北陸ガスの新潟地区の料金(10月検針分)を参考にしたものです。
プロパンガスは北海道・東北エリア同様に、石油情報センターの「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報(毎月調査)」の価格をベースとしています。
東海エリア
東海エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点で次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 東海 (静岡) | 約3,128円 (静岡ガス) | 約9,005円 (熱量換算後4,037円) |
都市ガスは、静岡ガスの2025年10月の適用料金をベースとして、10m³使用時の料金を計算しています。
一方、プロパンガスは石油情報センターの中部地方の該当データを基として、熱量換算後の推定価格とともに記載しています。
近畿エリア
近畿エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点では次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 近畿 | 約2,620円 (大阪ガス) | 約8,873円 (熱量換算後3,979円) |
都市ガスは大阪ガスの10月適用分の料金(A料金)をベースに計算しており、プロパンガスは同様に石油情報センターの近畿エリアの価格を記載しています。
なお、都市ガスの単位料金は、原料費調整制度により毎月変わってくるので、最新の情報を知りたい方は、大阪ガスの公式サイトを確認してみましょう。
中国エリア
中国エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点では次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 中国 | 約3,237円 (広島ガス) | 約9,684円 (熱量換算後4,345円) |
都市ガスは、広島ガスの「ガス種13A(45メガジュール)(広島・東広島・呉・尾道・三原地区)」をベースとして、10m³使用時の料金を計算しています。プロパンガスは同様に、石油情報センターの中国地方のデータです。
四国エリア
四国エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点では次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 四国 | 約3,988円 (四国ガス) | 約8,911円 (熱量換算後3,995円) |
都市ガスは四国ガスの料金シミュレーションにより、10m³使用時の料金を記載しています。プロパンガスは上記と同じように、石油情報センターの情報です。
ただし、四国ガスのシミュレーションは基準単位料金を使用しており、原料費調整制度は反映していないので注意しましょう。
九州エリア
九州エリアの都市ガス・プロパンガスの料金は、2025年10月時点では次の通りです。
| 地域 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 九州 | 約3,304円 (西部ガス) | 約9,176円 (熱量換算後4,115円) |
都市ガスは西部ガスの基本料金と、2025年10月検針分の調整単位料金をベースに、10m³使用時の料金を計算したものです。
プロパンガスは、石油情報センターの「九州及び沖縄」の価格(10m³)を記載しています。
都市ガスとプロパンガスの料金制度の比較

都市ガスとプロパンガスでは、基本料金と使用量に応じた従量料金で構成されている点は共通ですが、計算方法や価格設定の自由度には差があります。
両者の料金システムや配送コストの違いを押さえておきましょう。
都市ガスの料金システム
都市ガスの料金は、基本料金と従量料金の二部料金制で構成されています。
基本料金
基本料金は契約しているだけで発生する固定費で、供給エリアや契約プランによって金額が異なります。
従量料金
従量料金は、使用量に応じて決まる料金です。使用量に応じて段階的に単価が変動する仕組みで、使用量が増えるほど単価も上がる料金プランが多いです。
また、原料費調整制度に基づき、月ごとに天然ガスの輸入価格の変動を従量料金に反映しています。
プロパンガスの料金システム
プロパンガスは以下の料金で構成されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 基本料金 | ガスの使用量に関わらず毎月固定でかかる費用 |
| 従量料金 | ガスの使用量に応じてかかる費用(円/m³) |
| 設備料金 | ガス配管、ガス機器などの貸与費用 |
基本的に、基本料金と従量料金の仕組みは都市ガスと同じです。
しかし、プロパンガスは自由料金制のため、料金は販売店が独自に決定でき、同じ地域でも業者によって大きな差が生じる場合もあります。
また、ガス会社からガス配管や給湯器といったガス設備をリースしている場合、貸与費用の「設備料金」がガス料金に加わります。
両者の配送コストの違い
都市ガスとプロパンガスの料金差の大きな要因は、配送コストの構造にあります。
都市ガスは一度導管を敷設すれば、大量のガスを効率的に複数の家庭へ同時供給できるため、配送コストを低く抑えられます。導管の初期投資は高額ですが、長期的には一世帯あたりのコストは下がる仕組みです。
一方、プロパンガスは各ご家庭にボンベでの配送が必要であり、配送車両の燃料費や人件費、ボンベの管理費用などが個別にかかります。
特に、山間部や離島では配送の頻度や距離が増えるため、コストがさらに上昇します。こうした配送コストの構造的な違いが、両者の料金差の主な要因です。
都市ガス・プロパンガスのメリットとデメリット

都市ガスとプロパンガスには、それぞれメリット・デメリットがあります。料金面だけではなく、利用できるエリアや災害時の対応、初期費用など、多角的な視点で比較することが重要です。
ご家庭の住環境やライフスタイルに合わせて、どちらが適しているかを判断しましょう。ただし、居住地域によってはプロパンガスしか利用できないご家庭も多くあります。
都市ガスのメリット
都市ガスの最大のメリットは料金の安さです。公共料金として規制されているため、料金体系が明確で、急激な値上げの心配が少ない点も安心です。
また、導管を通じて供給されるため、ガス切れの心配がなく、ボンベ交換の立ち会いや在庫管理の手間もかかりません。
しかし、地方の都市ガスは都市部より料金が高い傾向があり、プロパンガスの方が安いケースもあります。地方に住んでいる人は、基本料金と従量料金を比べて判断しましょう。
都市ガスのデメリット
都市ガスのデメリットは、利用できるエリアが限られていることです。地下に導管を敷設する必要があるため、都市部や人口密集地以外では供給されていない地域が多くあります。
新たに都市ガスを引き込む場合、導管の距離によっては高額な工事費用が発生することもあり、初期投資が大きな負担となるケースも少なくありません。
また、災害時には導管が破損すると、広域で供給が停止するリスクがあり、復旧までに時間がかかる可能性もあります。
プロパンガスのメリット
プロパンガスの大きなメリットは、基本的に全国どこでも利用可能な点です。都市ガスの導管が届かない地方や山間部、離島でも供給が可能です。
ボンベ単位での供給のため、初期工事が比較的簡単で、新築住宅や引っ越し時にもスムーズに利用を開始できます。また、発熱量が都市ガスの約2倍あるため、火力が強く、調理時間の短縮や効率的な暖房が可能です。
災害時には、個別供給のため被害を受けていない家庭では継続して使用でき、復旧も比較的早い傾向にあります。
販売店との個別契約のため、交渉次第で料金を下げられる可能性があり、複数社から見積もりを取ることで適正価格を見極められます。
プロパンガスのデメリット
プロパンガスの最大のデメリットは、料金が高くなりやすい点です。プロパンガスはボンベを配送するのに、輸送費や人件費などのコストがかかるため、都市ガスと比べると料金が高い傾向があります。
また、プロパンガスは販売店ごとに自由に価格を設定できるため、地域や業者によって大きな差が生じます。契約内容を把握していないと、知らないうちに高めのガス料金を支払っている可能性もあるため、定期的に料金をチェックしましょう。
都市ガス・プロパンガスを切り替える際の注意点

ガスの切り替えを検討する際は、まず建物がどのガスに対応しているか調べる必要があります。
導管が整備されていない地域では、都市ガスへの変更ができません。また、プロパンガスから都市ガスへの切り替えには、機器の交換や配管工事が必要になり、初期費用が発生します。
逆に、都市ガスからプロパンへ変更する場合も、ボンベの設置などの工事が必要です。契約中のガス会社で解約金が設定されている場合もあるため、事前に条件を確認しましょう。
複数のガス会社の見積もりを比較・検討して、総コストと利便性のバランスを取ることが大切です。
都市ガスとプロパンガスの違いを理解し最適な選択を

都市ガスとプロパンガスは、料金だけでなく供給方法や利便性、災害時対応力などに違いがあります。都市部で導管が整備されている場合は、コスト面で都市ガスが有利です。
一方、地域によっては都市ガスは選べませんし、地方や災害リスクを重視するご家庭では、独立供給が可能なプロパンガスを選ぶのが良いケースもあります。
まずは、お住まいの地域が都市ガスに対応しているかを確認し、ご家庭の環境やライフスタイルに合った方を選ぶことが大切です。

