一人暮らしのガス代の平均額は?都市ガスとプロパンガスの料金を比較
一人暮らしの生活費の中で、ガス代は毎月の支出に大きく影響します。
都市ガスとプロパンガスは料金体系や供給方法が異なるため、生活スタイルや住まいの条件に合わせて選ぶことが重要です。両者のメリット・デメリットや、節約のコツを押さえておきましょう。
一人暮らしのガス代の平均はいくら?

一人暮らしのガス代は、ご家庭の生活スタイルや地域・ガスの種類などにより、大きく変動します。しかし全国的な基準を把握しておくことで、ご家庭のガス使用量が適正かどうか判断できるため、まずは全体の平均を確認しておきましょう。
総務省の統計データをもとに、一人暮らしのガス代の平均額や地域差、都市ガスとプロパンガスの料金差などを紹介します。
平均額は月に3,000円程度
総務省の家計調査によると、一人暮らし世帯のガス代の平均は月に約3,056円です。
※出典:家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 | 政府統計の総合窓口
これは、毎日の調理や、給湯に使用するガスの量を基に算出した一般的な目安です。冬場はお湯の使用量が増えるため高くなり、夏場は比較的安くなる傾向があります。
また、都市ガスを利用しているご家庭は、安定して3,000円前後のガス代になるケースが多い一方で、プロパンガスは料金が高いため、同じ使用量でも5,000円前後になることもあります。
特に一人暮らしの場合、自炊の頻度やお風呂の入り方によっても差が出るため、自分の生活パターンに合わせて、使用量を調整することが節約のポイントです。
地域によるガス代の違い
一人暮らし世帯における、地域別のガス代の平均を確認してみましょう。総務省の家計調査によると、各地域の単身世帯のガス代の平均額は次の通りです。
| 地域 | ガス代 (単身世帯) |
|---|---|
| 北海道・東北地方 | 3,566円 |
| 関東地方 | 3,074円 |
| 北陸・東海地方 | 2,877円 |
| 近畿地方 | 3,076円 |
| 中国・四国地方 | 2,790円 |
| 九州・沖縄地方 | 2,883円 |
北海道や東北地方、近畿地方の一部などでは、冬場のガス代が月に5,000円を超えることもあり、年間平均も全国平均より高めです。
一方で九州や沖縄などの温暖な地域では、給湯の使用量が比較的少ないため、ガス代の平均は低めの傾向があります。
また、都市ガスの供給網が整備されている都市部と、プロパンガスが主流の郊外や地方では料金体系そのものが異なるため、同じ使用量でも毎月のガス代に大きな差が生じます。
都市ガス・プロパンガスの料金差
続いて、都市ガスとプロパンガスの料金差も確認してみましょう。
地域やガス会社によって料金は異なりますが、ここでは東京エリアにおいて、1カ月で5㎥使用した場合の料金を比較してみます。
まず、東京エリアにおいて、代表的なガス会社である「東京ガス」の都市ガスの料金は、次の通りです。
| 1カ月の ガス使用量 | 基本料金 | 従量料金 (1㎥あたり) |
|---|---|---|
| 0~20㎥ | 759.00円 | 170.61円 |
| 21~80㎥ | 1,056.00円 | 155.76円 |
※2025年10月検針分(補助金適用前)
5㎥使用した場合の料金は、東京ガスの料金表のA表(0㎥から20㎥まで)に該当し、基本料金は759円です。
また、2025年10月検針分における従量料金は、1㎥あたり170.61円であるため、5㎥使用した場合は853円となります。したがって、合計で約1,612円のガス代がかかると計算できます。
一方、プロパンガスは、石油情報センターの「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報(毎月調査)」によると、2025年9月30日における関東エリアの料金(5㎥)は5,287円です。このため、両者を単純に比較すると、約3,700円の料金差があると考えられます。
都市ガスとプロパンガスの主な違い

都市ガスとプロパンガスでは料金が異なり、基本的には都市ガスの方が安い傾向があります。
また、両者は供給方法や成分・用途などの違いもあるので、ここで特徴や供給の仕組みの違いなど、基本的なところを理解しておきましょう。
都市ガスの特徴と供給の仕組み
都市ガスは、主にメタンを主成分とする天然ガスで、地下に埋設された導管を通じて各家庭に供給されます。
供給網が整備されている都市部や住宅の密集地では、道路の下に張り巡らされたパイプラインを通じて常時ガスが届けられるため、ガス切れの心配がありません。
さらに、公共インフラとして整備されているため、料金は国の認可制度のもとで設定されており、透明性が高いです。
プロパンガスの特徴と供給の仕組み
プロパンガスは、主にプロパンやブタンを主成分とする液化石油ガスで、ボンベに充填された状態で各ご家庭に配送されます。ガスボンベは住宅の屋外に設置され、定期的にガス会社が訪問して交換・充填する仕組みです。
都市ガスの供給網がない地域でも利用できるため、郊外や山間部・離島などで広く使われています。
料金は自由料金制となっており、各ガス会社が独自に価格を設定できるため、会社によって大きな料金差が生じることがあります。
都市ガスのメリットとデメリット

都市ガスは多くの都市部で利用されており、月々のコストを抑えやすい点や、ボンベ交換などの手間がかからない利便性が特徴です。
しかし、利用できる地域が限られているなど、いくつかの制限もあります。ライフスタイルや住まいに合わせて最適な選択ができるよう、都市ガスのメリットとデメリットを押さえておきましょう。
料金の安定性とコストの低さ
都市ガスのメリットの一つは、比較的ガス代を抑えやすい点です。価格変動が緩やかな傾向にあるため、長期的な家計管理がしやすいのが特徴です。
プロパンガスと比較した場合、一般的に月々の支払額が安くなることが多く、年間を通して見ると節約につながりやすいと言えます。また、基本料金と従量料金が明確に設定されており、料金の内訳がわかりやすいのもメリットです。
光熱費を抑えることを重視する場合には、都市ガスが利用できる物件を候補に入れるとよいでしょう。ただし、地域によっては都市ガスを利用できないケースも多いです。
都市部でしか利用できない
都市ガス最大のデメリットは、全国どこでも使えるわけではないという点です。
地下にガス導管が整備されているエリア(主に都市部や住宅密集地)でしか利用できません。郊外や新興住宅地、山間部などでは導管が通っていないことが多く、その場合は自動的にプロパンガスを選ぶことになります。
プロパンガスはボンベさえ運べば日本全国どこでもすぐに使えるため、導入の柔軟性においてはプロパンガスが圧倒的に有利です。
災害発生時の復旧に時間がかかる傾向がある
地震などの大規模災害が発生した場合、都市ガスは復旧までに時間がかかりやすいという弱点があります。
地下の導管が破損した場合、安全確認と修理を広範囲かつ一帯で行う必要があるためです。
一方、プロパンガスは各家庭にボンベが独立して設置されている「分散型エネルギー」であるため、異常がなければその場ですぐに復旧でき、災害に強いエネルギーとして高く評価されています。
プロパンガスのメリットとデメリット

プロパンガスは、都市ガスが供給されていない地域でも使用可能で、災害時の復旧の早さなど独自のメリットがあります。
一方で、料金の高さや変動のしやすさには注意が必要です。プロパンガスの特徴とともに、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
日本全国で幅広く利用可能
プロパンガスの最大のメリットは、日本全国どこでも利用できる点です。ボンベを配送するだけで利用できるため、基本的には場所による制限がありません。
山間部などの住宅や別荘地などでも、ガス導管の引き込み工事が不要なため、比較的短期間で利用を開始できます。また、建物の配置や立地条件に左右されにくく、利便性の高いエネルギー源として幅広い地域で使われています。
復旧が早く災害に強い
プロパンガスは、各家庭に独立して設備を設置する「分散型エネルギー」です。
地震などの災害によって供給がストップした場合でも、被害の範囲が1戸単位に限定されるため、設備に異常がなければ点検後すぐに使用を再開できます。地下の導管網を一斉に点検・修理する必要がある都市ガスと比較すると、復旧までの時間が短い傾向にあります。
熱量が高く火力が強い
プロパンガスの発熱量は、都市ガスの約2倍あります。
家庭用のガスコンロなどの機器はそれぞれのガスに合わせて調整されているため「実際の炎の大きさが2倍になる」というわけではありませんが、元々の持つ熱量が高いため、お湯が早く沸きやすい、炒め物などの調理に適しているといった特徴があります。
ガス代が高い傾向がある
プロパンガスの最大のデメリットは、都市ガスと比べると料金が高くなりやすい点です。プロパンガスは都市ガスと違い、各家庭へボンベを運ぶ配送費や人件費などがかかるためです。
また、自由料金制のため、各ガス会社が独自に価格を設定しており、同じ地域内でも会社によって、大きな料金差が生じることがあります。
中には、料金体系がわかりにくいケースもあるため、契約前に基本料金や従量料金をきちんと確認することが大切です。
都市ガスとプロパンガスを切り替える際の注意点

ガスの切り替えは、賃貸物件の場合オーナーや管理会社の許可が必要になります。集合住宅の場合は、全住民の許可も必要になるため、切り替えは難しいです。
持ち家でプロパンガスから都市ガスへ切り替える場合は、ガス導管の引き込み工事が必要なため、工事費用を考慮する必要があります。
また、ガス機器も「交換」か「部品の調整」が必要になるため、事前にガス会社に相談をし、費用の見積もりを取りましょう。
一人暮らしでガス代を抑えるためのポイント

一人暮らしではガス代の負担も家計に大きく影響するため、ガス機器の使い方を工夫し、光熱費を節約することが大切です。
ガス代を抑えるためのポイントを確認しておきましょう。
お風呂・給湯のガス代を節約する
家庭におけるガスの使用割合のうち、最も多くを占めるのがお風呂やシャワーなどの「給湯」です。給湯器の使い方を見直すことが、ガス代節約の有効な手段となります。
給湯器の設定温度を下げる
お湯を沸かすために必要なガスの量は、設定温度に比例して増加します。季節や好みに応じて無理のない範囲で、給湯器の設定温度を1〜2度下げることで、ガス消費量を抑えることができます。
シャワーの使用時間を短縮する
シャワーを出しっぱなしにする時間は、そのままガスの使用量に直結します。
髪や体を洗っている間はこまめにシャワーを止める、節水型のシャワーヘッドに交換してお湯の出る量自体を減らすといった対策をとることで、ガス代だけでなく水道代の節約にもなります。
「追い焚き」を控える
お風呂にお湯を張る場合、時間が経過して冷めたお湯を再び温める「追い焚き」機能は、多くのガスを消費します。
一人暮らしの場合は、お湯を張ったら冷める前に入浴を済ませる、保温シートやフタを活用してお湯の温度低下を防ぐといった工夫により、追い焚きの回数を減らすことが推奨されます。
キッチン・調理におけるガス代節約
自炊をする頻度が高い一人暮らしの場合は、コンロ周りの使い方を少し工夫するだけで、毎月のガス消費量を減らすことができます。
電子レンジを活用して下ごしらえをする
根菜類など火が通りにくい食材を調理する際、最初からガスコンロで茹でるのではなく、あらかじめ電子レンジで加熱して柔らかくしておく方法があります。ガスコンロを使用する時間(加熱時間)を大幅に短縮でき、結果的にガス代の節約につながります。
鍋やフライパンの底の大きさに合わせて火力を調整する
ガスコンロの火が鍋やフライパンの底からはみ出している状態は、熱が外に逃げておりガスの無駄遣いとなります。
調理器具の底の大きさに合わせて、火がはみ出さない程度の中火以下に調整することが効率的な加熱方法です。
また、鍋底が濡れていると水分を蒸発させるために余分な熱エネルギーが必要となるため、火にかける前に水滴を拭き取ることも基本の対策です。
料金プランやガス会社を見直す
契約しているガス会社や料金プランを見直すことも大切です。
集合住宅の場合、プロパンガスの切り替えは難しいですが、都市ガスであればお得なプランやセット割引があるガス会社に切り替えることで、毎月の光熱費を抑えられます。
さらに、ガス会社が提供しているキャンペーンやポイント制度なども活用することで、よりお得にガスを利用できます。
ガス代の仕組みを理解して無理なく節約しよう

ガス代を抑えるには、ガス料金の仕組みを理解することが重要です。ガスには「都市ガス」とプロパンガス」の2種類があり、それぞれに特徴があります。
都市ガスの最大のメリットは、料金が比較的安価な点です。一方、プロパンガスは地方や山間部などでも利用でき、災害時に強い点もメリットです。
住んでいる地域や、ガスの使い方などを考慮し、自分のライフスタイルにあったガス代の節約を行いましょう。

