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ガス自由化とは?自由化の目的やガス会社の選び方を解説

3口のビルトインガスコンロ
sora_yoshida@saisan-marketing.co.jp

近年、光熱費の高騰により、家計への負担を感じている方も多いのではないでしょうか。そのような中、光熱費削減の助けになるのが「ガス自由化」です。

2017年にスタートした「ガス自由化」により、自由にガス会社を選べるようになりました。

しかし、「具体的に何が変わったの?」「どうやって新しいガス会社を選べばいいかわからない」と疑問に思っている方も少なくありません。

この記事では、ガス自由化の基礎知識から、ガス会社を選ぶポイントまでわかりやすく解説します。

ガス自由化とは

2台の給湯器
(出典) photo-ac.com

ガス自由化とは、正式には「都市ガスの小売全面自由化」と呼ばれ、消費者が自由にガス会社(小売事業者)を選んで契約できるようになった制度のことです。

ガス自由化について、順を追って解説します。

いつから始まった制度?

日本のガス自由化は、2017年(平成29年)4月からスタートしました。

自由化以前は、東京ガス・大阪ガス・東邦ガスなどの「一般ガス事業者」と呼ばれる地域独占の事業者のみが、消費者へ都市ガスを供給していました。

それがガス自由化によって以下の3部門に分割され、小売部門のみ自由化されました。

  • ガス製造事業
  • 導管事業
  • 小売事業(ここが自由化された)

小売部門が自由化されたことで、通信会社や電力会社、その他さまざまな異業種の企業が、ガスの小売事業に参入しています。その結果、料金プランやサービスのバリエーションが増え、消費者は自分に合ったサービスを選べるようになりました。

都市ガスの供給エリアについて

都市ガスの供給エリアは国土の約6%程度で、導管設備が行き届かない地方では都市ガスそのものを利用できません。

また、地方の都市ガスは参入しているガス会社が少なく、自由化の恩恵は地域差があるのも実情です。

それでも、都市ガス会社を選べる地域では、従来より多様な料金やセット割などを検討できる環境が整っています。

プロパンガスは以前から自由料金制

プロパンガス(LPガス)は、都市ガスよりも昔から「自由料金制」が導入されています。

ガソリンと同じように各社が独自に価格を設定できる仕組みで、消費者はいつでもガス会社を選び直せます。

しかし、自由料金制であるがゆえに、料金体系がわかりにくく不透明だと指摘されるケースもあり、業界では「取引適正化ガイドライン」による改善が進められています。

ガス自由化の目的

2口の卓上ガスコンロ
(出典) photo-ac.com

これまで当たり前だった地域独占をなくし、国がガス自由化に踏み切ったのには、主に以下の3つの明確な目的があります。

料金の引き下げとサービスの多様化

最大の目的は、企業間の「競争」を促すことです。地域独占の場合、ガス会社が自ら料金を下げる努力をしなくても顧客が離れることはありませんでした。

しかし、自由化によってライバル企業が多数参入すれば、「より安い料金」「より魅力的なサービス」を提供しなければ顧客を獲得できません。

その結果、「電気とのセット割引」「ポイント還元サービス」など、消費者にとってお得で多様なメニューが生まれることが期待されています。

経済成長の促進

ガス市場は非常に規模が大きく、数兆円規模とも言われています。この巨大な市場を開放することで、電力会社・通信会社・商社など、さまざまな企業が新たなビジネスチャンスを求めて参入しました。

異業種の企業が参入することで、新たな雇用が生まれたり、イノベーションが起きたりと、日本経済全体の活性化につながるという狙いがあります。

エネルギー供給の安定化

ガス自由化には、ガスの安定供給とインフラ網の拡大という目的もあります。

日本の都市ガス普及率は約50%にとどまっており、未普及地域へのガス管(導管)整備や災害対策が課題です。このインフラ整備を促し、新規参入企業も既存のガス管を公平に利用できるよう、2022年4月に大手3社(東京ガス・大阪ガス・東邦ガス)で導管分離が実施されました。

※出典:ガス小売全面自由化の経緯などについて | 日本ガス協会

ガスの種類と特徴

壁掛けタイプの屋外給湯器
(出典) photo-ac.com

家庭用のガスの種類は、都市ガスとプロパンガスの2つに大きく分けられます。

それぞれの特徴や違いを確認しましょう。

都市ガスとプロパンガスの違い

都市ガスとプロパンガスの比較表は次のとおりです。

都市ガスプロパンガス
供給方法地下の導管を通じて供給各家庭にガスボンベを設置
供給エリア日本の約6%
(都市部中心)
ほぼ全国で利用可能
主な原料液化天然ガス(LNG)
※メタンが主成分
液化石油ガス(LPG)
※プロパン・ブタン
熱量熱量が低い熱量が都市ガスの2倍以上
ガスの性質空気より軽い空気より重い
ガス警報器天井に設置床付近に設置

都市ガスは利用できるエリアが限られるのに対し、プロパンガスは山間部や離島でも利用できます。

ガス会社選びで確認すべきポイント

点検・記録をする作業員
(出典) photo-ac.com

いざ「ガス会社を乗り換えよう」と思っても、数多くの会社からどこを選べばいいか迷ってしまう人も多いと思います。

そこで、ガス会社選びで失敗しないための4つのポイントを解説します。

① 現在のガス料金と「シミュレーション」で比較する

最も重要なのは、ガス代が「本当に安くなるのか?」を確認することです。

現在のガスの検針票(またはWebのマイページ)を用意し、各ガス会社の公式サイトにある料金シミュレーションに入力してみましょう。夏と冬では使用量が大きく異なるため、年間を通じてどれくらい安くなるかを確認するのがポイントです。

② 「セット割」を優先的に検討する

ガス単体で乗り換えるよりも、電力会社や光回線とセットで契約できるガス会社を選ぶのがおすすめです。

ガス代を1円でも安くしたい方は、ガス単体で安いプランを選ぶ方がお得になるケースもあります。しかし、最適なガス会社はライフスタイルや時期によっても変わってしまう可能性があるため、光熱費をまとめてお得にしたい方は、セット契約が無難でしょう。

③ 契約期間と解約金を確認する

長期契約を条件に安くなるプランの場合、引っ越しに伴う解約でも違約金をとられるケースがあるため、転勤が多い方や、引っ越しの予定がある方は要注意です。

「契約期間の縛りなし」「解約金ゼロ」のガス会社も多数あるので、自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。

④ 価格以外のサービスの充実度

ガス漏れ時の緊急対応などは、これまで通り大手ガス会社(導管事業者)が行うため、ガスの品質や安全性に違いはありません

その上で、独自の「水回りトラブル駆けつけ無料」などの付加価値サポートをつけている会社もあるため、価格以外のサービス内容も比較してみましょう。

ガス会社の切り替え方法

屋外のプロパンガスボンベと配管
(出典) photo-ac.com

手続きが面倒くさそう」と思われがちですが、実はガス会社の切り替えは非常に簡単です。

手続きをスムーズに進めるためにも、ガス会社の変更を検討している方は、以下の3ステップを参考にしましょう。

STEP1:検針票を準備する

現在契約しているガス会社の「お客様番号」や「供給地点特定番号」が必要です。毎月ポストに投函される検針票か、Webのマイページで確認しましょう。

STEP2:新しいガス会社にWebから申し込む

希望する新しいガス会社のホームページから申し込みフォームに必要事項を入力します。5分〜10分程度で完了します。

STEP3:切り替え完了(工事不要)

申し込み後、次回(または次々回)の検針日から自動的に新しいガス会社に切り替わります

新しいガス会社が現在の契約先へ解約手続きを行ってくれるため、自分で解約の連絡をする必要はありません。ガス管もそのまま使うため、特別な工事や家の中での立ち会いは原則として不要です。

ガス自由化と併せて知っておきたい電力自由化

住宅用のブレーカー
(出典) photo-ac.com

ガス会社の切り替えを検討する際、セットで押さえておきたいのが「電力自由化」です。

電力自由化とは

電力自由化は、ガス自由化の1年前の2016年4月にスタートしました。

それまで「関東なら東京電力」「関西なら関西電力」と地域で決められていた電力会社を、消費者が自由に選んで契約できるようになりました。

現在は、ガス会社や通信会社など、多様な業種の企業が電力市場に参入しています。

電気は従来どおり既存の送配電網を通じて供給されるため、地域電力会社から新電力に切り替えても電気の品質が変わることはありません。また、新電力が供給できなくなった場合には地域の電力会社が補完する仕組みがあり、停電リスクも変わりません。

なぜガスと同時に検討すべきなのか?

ガス自由化と電力自由化を併せて検討すべき最大の理由は、「セット割」による節約効果が期待できるためです。

ガスと電気を同時に見直すことで、以下のようなメリットがあります。

  • セット割引がお得:
    ガスと電気をセット契約するだけで、毎月割引が適用されるプランが多い
  • 手続きの手間が半減:
    電気とガスを別々に手続きをするより、一度にまとめて手続きを行った方が、時間も手間も省ける
  • 家計管理が楽になる:
    バラバラだった電気代とガス代の請求先が一つにまとまるため、毎月の光熱費の把握が楽になります。

多くのガス会社や電力会社は、「電気とガス」の両方を自社でまとめて契約してもらうために、強力な割引プランを用意しています。

ガス会社を見直すタイミングで、電力会社も一緒に見直しましょう。

ガス自由化を活かしてガス代を削減しよう

電気・ガス・水道の木製ブロック
(出典) photo-ac.com

ガス自由化により、都市ガスでも複数の会社から料金プランやサービス内容を比較して選べるようになりました。

自由化やガス料金の仕組みを理解し、自分に合ったプランを選べば、毎月のガス料金をお得にできます。電力自由化も併せてチェックし、光熱費全体の支出を効率よく見直しましょう。

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LIFE STYLE編集部
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「累計20万件以上」のライフライン商材を取り次いできたライフスタイル事業部。その知見をもとに、皆さまのライフスタイルが少しでも良くなるように、電気・ガス・ウォーターサーバーの最新情報をお届けします。
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