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プロパンガスはなぜ高い?メリット・デメリットと料金を抑える方法を紹介

家の壁にプロパンガスボンベ
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プロパンガスは都市ガスより料金が高いといわれていますが、その理由をご存じでしょうか。供給方法や流通体制の違いを知ったうえで、毎月のガス代が高い場合は節約方法を押さえておきましょう。プロパンガスの特徴や料金の仕組み、料金を抑える方法を解説します。

プロパンガスの基本知識

プロパンガスボンベのバルブ
(出典) photo-ac.com

プロパンガスは多くの家庭で利用されていますが、その仕組みや特徴はあまり知られていません。LPガスとの関係や供給方法を理解し、基本を整理しましょう。

プロパンガスとは? LPガスとの関係

プロパンガスとは、プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガスです。LPガスは液化石油ガスの総称であり、その中でも家庭用として広く利用されているのがプロパンガスです。

日本では家庭用LPガスのほとんどがプロパンガスであるため、両者は同じ意味で扱われることが多くなっています。ただし、LPガスという呼び方はあくまでも分類上の名称です。

プロパンガスが使われる仕組み

プロパンガスは海外や国内の製油所から供給基地へ運ばれ、さらに各地域の充填所へ配送されます。ここでボンベに充填され、販売店の配送車によって家庭や店舗へ届けられます。

多くの一般家庭では、建物ごとにボンベを設置する「個別供給方式」が採用されています。ボンベから圧力調整器を通してガス配管へ送り出し、ガスメーターを経由してガス器具へ供給される仕組みです。

一方で、マンションや工場などでは、敷地内に大きな貯槽を設置して集中管理を行う「簡易ガス事業方式」が導入されるケースもあります。地域や建物の規模に応じて、供給方法が使い分けられています。

プロパンガスの特徴

プロパンガスボンベとメーター
(出典) photo-ac.com

プロパンガスは料金が高いという印象を持たれやすい一方で、利便性や安全面などの強みもあります。特徴を正しく理解するために、メリットとデメリットを確認しましょう。

プロパンガスのメリット

プロパンガスはボンベで個別配送されるため、都市ガスのように地下配管網を必要としません。この仕組みにより、都市部だけでなく、山間部・離島・郊外の住宅地などインフラ整備が進んでいない地域でも利用できます。

災害時に強いことも大きなメリットとして挙げられます。プロパンガスは各家庭に設置されたボンベが独立して機能しているため、広範囲でライフラインが停止した場合でも影響が限定的です。ボンベさえ確保できれば比較的早い復旧が可能で、避難所や仮設住宅でも活用されています。

そのほかに、建物の新築時やオール電化からの変更時に導入しやすいことなど、設置の自由度が高いことも特徴です。

プロパンガスのデメリット

プロパンガスの代表的なデメリットは、料金が高くなりやすい点です。プロパンガスはボンベ配送による個別供給が基本であり、輸送費や人件費などの供給コストがかかります。

また、プロパンガスは各地域に複数の販売会社が存在し、それぞれが独自に価格を設定できます。本来であれば価格競争が起きるはずですが、多くの地域では相場が高止まりしているのが実情です。その背景には、業者同士が消費者の流出を避けるために値下げを控える傾向があり、結果として高い料金水準が維持されている実態があります。

消費者側がガス会社を自由に選べることを知らず、比較や乗り換えを行わないケースが多い点も、料金高騰の要因です。プロパンガスは都市ガスよりも早く自由化されているものの、その事実が十分に浸透していません。「プロパンガスは高いもの」という固定観念が競争を妨げ、料金が下がりにくい構造を生んでいるのです。

プロパンガスと都市ガスはどう違う?

都市ガスの貯蔵タンク
(出典) photo-ac.com

プロパンガスと都市ガスは同じガスですが、成分や供給方法が大きく異なります。それぞれの違いを理解すると、特徴や料金差の背景が見えてくるでしょう。

プロパンガスと都市ガスの主な違い

プロパンガスと都市ガスの基本的な違いは次の通りです。

項目プロパンガス都市ガス
原料石油由来(プロパン・ブタン)メタン主体の天然ガス
熱量(発熱量)約24,000kcal/㎥約11,000kcal/㎥
比重(空気との重さ比較)空気の約1.5倍(重い)空気より軽い
供給方法ボンベ配送による個別供給地中のガス管による一斉供給
供給エリア全国(山間部・離島でも利用可)都市部中心で一部地域のみ

都市ガスは地中に埋設された導管を通じて供給されるため、導管網の整備が進んでいる地域でしか利用できません。また、都市ガスは液化しにくい性質があることから、プロパンガスのようにボンベ輸送は行わず、気体のまま各家庭へ送られます。

プロパンガスが都市ガスより高い理由

プロパンガスの料金が都市ガスより高くなる主な理由は、配送コストがかかる供給方式にあります。

プロパンガスは液化してボンベに充填された後、各家庭や店舗まで配送車で運ばれる仕組みです。この過程でガソリン代などの燃料費に加え、配送スタッフの人件費やボンベの維持・管理費などが料金に上乗せされます。さらに、ガス会社はボンベの残量を管理し、交換や安全点検を行う必要があるため、都市ガスにはない運用コストも発生します。

一方で、都市ガスは地中の導管を通して一括供給されるため、配送にかかる手間がほとんどありません。この供給構造の違いが、プロパンガスの割高な料金につながっています。

プロパンガスの料金・価格構造

ガスの請求書
(出典) photo-ac.com

プロパンガスの料金は、基本料金と従量料金で構成されています。料金の仕組みを整理し、どのように金額が決まるのかを確認しましょう。

プロパンガスの料金制度

プロパンガスの料金制度は、主に「二部料金制」と「三部料金制」の2種類に分かれています。

一般的に広く採用されている二部料金制は、毎月固定でかかる基本料金と、使用量に応じて変動する従量料金で構成される仕組みです。従量料金は「従量単価×ガス使用量」で計算され、ガス代の大部分を占めます。

一部のガス会社では三部料金制を採用しており、これは二部料金制の基本料金に含まれていた設備利用費などを「設備利用費等料金」として分離した仕組みです。料金の内訳がわかりやすく、コストの透明性を高められる特徴があります。

プロパンガスの従量料金の計算方法

プロパンガスの従量料金は「従量単価×ガス使用量」で計算され、ガス会社ごとに仕組みが異なります。主な方式は次の3つです。

従量単価の種類仕組みの概要特徴
スライド型使用量に応じて単価が段階的に変動一般家庭で多く採用され、使うほど単価が下がることが多い
原料費調整型輸入価格や為替変動に応じて単価を調整国際市況の影響を受けやすい
固定型単価が一定で変動しない料金が安定するが、相場下落時は割高になる可能性

従量単価の仕組みは料金に大きく影響するため、契約前に料金表の確認や見積もり比較を行うことが重要です。

【世帯人数別】ガス料金の全国平均

参考までに、2024年の家計調査(総務省統計局)による世帯人数別のガス料金全国平均を示します。プロパンガスと都市ガスを区別しないデータです。

世帯人数ガス料金の平均
1人約3,056円
2人約4,497円
3人約5,121円
4人約5,015円
5人約4,284円
6人以上約4,551円

世帯人数が増えるほど平均額が高くなる電気代とは異なり、ガス代の平均は世帯人数が増えても大きく変わりません。

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)家計調査 家計収支編 単身世帯

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)家計調査 家計収支編 二人以上の世帯

プロパンガス料金を安くする方法

ガスコンロの火
(出典) photo-ac.com

プロパンガスの料金は契約状況や使い方によって大きく変わります。料金の見直し方法と効果的な対策を確認しましょう。

現在のプロパンガス会社に値下げ交渉をする

現在契約中のプロパンガス会社と値下げ交渉を行えば、料金が下がる可能性があります。

まずは現在の契約内容を把握し、ガスの検針票(数か月分)・地域の料金相場・他社の見積もりなどを準備しましょう。次に、現在の料金プランと地域の相場を比較し「他社への切り替えを検討している」という姿勢で会社に交渉を申し入れると、交渉成立の可能性が高まります。

なお、交渉が成功してもその後に料金が再度上がるケースがあるため、交渉後も基本料金や従量単価の変動について定期的に確認しておくことが重要です。

プロパンガス会社を切り替える

プロパンガスの料金を見直す手段として、ガス会社の切り替えは効果的な方法です。プロパンガスは自由契約制のため、消費者が自由に会社を選べます。切り替えの流れをまとめました。

  1. 現在の契約内容と料金を確認
  2. 複数のプロパンガス会社から見積もりを取得
  3. 料金・サービス内容・安全体制を比較して契約先を選択
  4. 新しいガス会社が現地確認を実施
  5. 契約を締結し切り替え日を調整
  6. ボンベやガスメーターを交換して供給を開始

切り替え手続きは新しいガス会社が代行する場合が多く、利用者の負担は大きくありません。ただし、現在の契約で設備の無償貸与契約がある場合は、違約金が発生する可能性があるため、事前に確認しましょう。

都市ガスに変更する

プロパンガスから都市ガスへ変更するとガス料金を抑えられる可能性がありますが、誰でも切り替えられるわけではありません。

自宅付近に都市ガスの導管が通っていることが条件であり、導管が敷設されていない地域では切り替えができません。また、導管が近くまで来ていても自宅まで引き込む工事が必要になる場合があり、その際は数万~十数万円の費用が発生することがあります。

さらに、集合住宅の場合は個人判断での変更が難しく、建物全体での工事が必要となるケースが一般的です。都市ガスへの切り替えは料金面でメリットがありますが、事前の条件や費用の確認は欠かせません。

ガスの使い方を見直す

ガス料金は日々の使い方を見直すだけでも削減できます。ガスをよく使用する場所ごとの節約ポイントは次の通りです。

<お風呂>

  • シャワーはこまめに止め、出しっぱなしにしない
  • 給湯温度を1~2℃下げる
  • 追い焚き回数を減らし、保温シートを活用する
  • 入浴は家族が続けて入り、湯温低下を防ぐ

<キッチン>

  • 炊飯や煮込みは予熱を活用して加熱時間を短縮する
  • 鍋底に合った火力サイズを使い、強火の無駄を避ける
  • 落しぶたや圧力鍋を使って調理効率を上げる
  • 電子レンジや電気ケトルと併用し、ガス使用量を減らす

<リビング(ガス暖房使用時)>

  • ガスファンヒーターはフィルターを掃除し燃焼効率を維持する
  • 室内の暖気を逃がさないために断熱カーテンを使用する
  • 加湿で体感温度を高め、設定温度を下げる
  • 定期的に換気し燃焼効率を維持する

プロパンガスの特徴や都市ガスとの違いを理解しよう

4本のガスボンベ
(出典) photo-ac.com

プロパンガスは供給方式の違いや自由料金制の影響により、料金が高くなりやすい特徴があります。しかし、料金の仕組みや価格構造を理解すれば、無駄な支出を抑えることが可能です。

交渉やガス会社の切り替え、都市ガスへの変更など、ガス料金の見直し方法も複数あります。できることから行動し、ガス代の負担を軽減しましょう。

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LIFE STYLE編集部
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「累計20万件以上」のライフライン商材を取り次いできたライフスタイル事業部。その知見をもとに、皆さまのライフスタイルが少しでも良くなるように、電気・ガス・ウォーターサーバーの最新情報をお届けします。
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