アンペア変更とは?電気料金との関係性や変更時の注意点などを解説
「電気料金を節約したい」「ブレーカーがよく落ちる」といった問題は、アンペア変更で解決できる場合があります。
アンペア変更を検討しているなら、事前にアンペアの基礎知識や必要な手続きを把握しておきましょう。
十分な知識がないまま変更すると、日常生活や家計に支障が出る可能性もあります。
この記事では、アンペア変更の基本をはじめ、電気料金との関係や適切な選び方について解説します。
また、手続きの流れや注意点も紹介しているので、ぜひご一読ください。
アンペア変更とは

アンペア変更とは、電力会社が定めた「一度に使用できる電気の最大量(契約アンペア数)」を変える手続きです。アンペア(A)は、1秒間に流れる電気(電流)の量を指しています。
契約アンペア数が大きいほど、同じタイミングで使える家電製品の数が増える仕組みです。
同時に使う電気の量が契約アンペア数を超えると、安全のためにブレーカーが落ちてしまいます。

そのため、消費電力が大きい電子レンジやドライヤーなどを同時に稼働させると、ブレーカーが落ちやすいです。
しかし、アンペア変更によって契約アンペア数を上げれば、容量オーバーの問題を解決できます。
契約アンペア数の確認方法
契約アンペア数を調べるには、以下のような方法があります。
- 検針票
毎月届く紙の検針票で、契約内容を確認できます。契約アンペア数は、「契約容量」や「契約電流」といった項目に記載されているのが一般的です。
- Webサイトやアプリ
電力会社のWebサイト(マイページ)や専用アプリで契約アンペア数を確認できます。確認方法や表示項目は電力会社によって異なるため、不明点があれば直接問い合わせましょう。
- 分電盤
分電盤は、玄関上部や洗面所に設置されている箱型の設備です。ボックス内にあるアンペアブレーカーの周辺に契約アンペア数が表示されています。ただし、契約中の数値とは異なっている可能性もあるため、検針票やマイページで確認する方が確実です。
アンペア変更を考えているなら、事前に現在の契約アンペア数を確認しましょう。
アンペア変更と電気料金の関係は?

各電力会社が提供する料金プランに「アンペア制」があります。アンペア制は、契約アンペア数によって基本料金が決まる制度です。
地域電力会社では、以下の電力会社がアンペア制を取り入れています。
- 北海道電力
- 東北電力
- 東京電力
- 北陸電力
- 中部電力
- 九州電力
プランの細かな内容は電力会社によって異なりますが、契約できる数値は主に10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aの7種類があります。
一般家庭向けに最も広く普及しているのが「従量電灯B」というプランです。
一方、以下の地域電力会社は「最低料金制」を取り入れています。
- 関西電力
- 中国電力
- 四国電力
- 沖縄電力
「最低料金制」は契約アンペア数に関係なく基本料金(最低料金)が決まっている制度です。
最低料金の中には、あらかじめ一定の電気使用量にかかる電気料金が含まれており、関西電力や中国電力では15kWhまでと設定されています。
契約アンペア数と基本料金は比例する
アンペア制の場合、契約アンペア数を上げるほど基本料金は上がります。
目安として、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの料金を表にまとめました。
| 契約アンペア数 | 基本料金(税込) |
|---|---|
| 10A | 311.75円 |
| 15A | 467.63円 |
| 20A | 623.50円 |
| 30A | 935.25円 |
| 40A | 1,247.00円 |
| 50A | 1,558.75円 |
| 60A | 1,870.50円 |
※出典:電気料金単価表(低圧)|東京電力エナジーパートナー
一般家庭では、主に20~60Aが利用されています。
アンペア変更による電気料金節約のメリット・デメリット
契約アンペア数を下げると基本料金も安くなるので、電気料金の節約につながります。
ただし、一度に使える電気の量も減ってしまうため、複数の家電製品を同じタイミングで使ったときにブレーカーが落ちやすくなる点はデメリットです。
例えば、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランで30Aから20Aに下げた場合、基本料金を月間311.75円、年間3,741円削減できます。
※参考:電気料金単価表(低圧)|東京電力エナジーパートナー
デメリットを許容できるだけの節約効果を得られるかが判断のポイントです。
失敗しない契約アンペア数の選び方

アンペア数は上げすぎると経済的な負担が増し、下げすぎるとブレーカーがすぐ落ちてしまうため、バランスが重要です。
「世帯人数」と「家電製品」を基準にすると、自分に合った契約アンペア数を選びやすくなります。
世帯人数に合わせる
世帯人数が増えるほど電気使用量は上がりやすいため、適切な契約アンペア数も変わります。
1~5人世帯別の目安は下表の通りです。
| 世帯人数 | 契約アンペア数 の目安 |
|---|---|
| 1人 | 20~30A |
| 2人 | 30~40A |
| 3~4人 | 40~50A |
| 5人以上 | 50~60A |
なお、適切な契約アンペア数は住居の種類(戸建てもしくは集合住宅)やライフスタイルによって変わります。
例えば、家族で家電製品を使用するタイミングがバラバラであれば、低いアンペア数でも事足りるケースが多いでしょう。
一方、家族で家電製品を同時に使うタイミングが多ければ、高めに設定した方が適切です。
家電の使用タイミング・家族構成・住居の広さなども考慮し、最適な契約アンペア数を見極めましょう。
家電製品に合わせる
家電製品はそれぞれ消費電力が異なるため、どの家電をどれくらいの頻度で使うのかも重要な基準です。
一般家庭で使用される主な家電製品のアンペア数を表にまとめました。
| 家電製品 | アンペア数の目安 |
|---|---|
| 電子レンジ(30Lクラス) | 15A |
| IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時) | 13A |
| IHクッキングヒーター(200V) | 20~30A(最大使用時58A) |
| 食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ) | 13A |
| 冷蔵庫(450Lクラス) | 2.5A |
| テレビ(液晶42型) | 2.1A |
| 掃除機 | 弱:2A 強:10A |
| ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg) | 洗濯:2A 乾燥:13A |
| アイロン | 14A |
| ヘアードライヤー | 12A |
| エアコン(10畳用)<立ち上がり時> | 冷房:5.8A<14A> 暖房:6.6A<20A> |
| 電気カーペット(3畳用) | 半面:4A 全面:8A |
契約アンペア数が30Aの世帯の場合、電子レンジ・アイロン・エアコン(冷房)を同時に使うと「15A+14A+5.8A=34.8A」になるため、容量オーバーでブレーカーが落ちてしまいます。
契約アンペア数の変更に必要な手続きと流れ

契約アンペア数の変更手続きは、以下の流れで進めます。
- 契約内容の確認
- アンペア変更の申し込み
- アンペア変更工事の実施
それぞれ手順や注意点を解説するので、参考にしてください。
1.契約内容の確認
まずは検針票や電力会社の公式Webサイトで、現在の契約内容を確認します。
関西・四国・中国・沖縄電力エリア以外であっても、電力会社によってはアンペア制ではないプランもあるため、契約アンペア数が記載されていない場合があります。
その際は、契約中のプランがアンペア変更可能か、電力会社に確認しましょう。
2.アンペア変更の申し込み
自分に合った契約アンペア数が決まったら、電力会社に連絡してアンペア変更を申し込みます。
申し込み方法は、Webフォームから申請するか、電話で申し込むことができる電力会社がほとんどです。
具体的な手続きの内容は会社ごとに異なるので、あらかじめ公式Webサイトや問い合わせ窓口で確認しておきましょう。
3.アンペア変更工事の実施
アナログ式メーターを使用している場合は、アンペア変更に伴い、分電盤やアンペアブレーカーの交換が必要になることがあります。
交換工事は基本的に無料ですが、契約アンペア数を大容量にする配線工事が必要な場合は、別途費用が発生するケースもあります。
工事を行うときは日程調整が必要なため、申し込んですぐアンペア変更ができるとは限りません。
しかし、2024年3月末時点で、スマートメーターは99.9%普及しているため、工事をせずにアンペア変更できるケースがほとんどです。
アンペア変更時の注意点

アンペア変更を申し込む場合、以下の3点に注意してください。
- 賃貸住宅は変更できない可能性がある
- 年1回しか変更できない
- 60A超の契約は「従量電灯C」になる
詳細をまとめているので、変更前に把握しておきましょう。
賃貸住宅は変更できない可能性がある
賃貸住宅では、建物の設備の関係で契約できるアンペア数が限られている物件があります。
希望のアンペア数に変更できるとは限らないので、大家や管理会社への事前確認が必要です。
年1回しか変更できない
契約アンペア数は原則として年1回しか変更できないので、慎重に検討しましょう。
エアコンを多用する夏・冬だけ契約アンペア数を上げるなど、季節やライフスタイルに合わせて数か月単位で変えることはできません。
「電気料金を節約したい」といった理由で無理にアンペア数を下げれば、1年間の生活に支障が出てしまう可能性があります。
60A超の契約は「従量電灯C」になる
一般家庭向けの従量電灯Bは60Aが上限のため、60Aを超えるアンペア数に変更する場合は、商店や事業所向けの「従量電灯C」に切り替える必要があります。
従量電灯Cへの変更は工事が必要なため、事前に電力会社に相談をしましょう。
電気料金を抑えたいなら電力会社やプランの変更もおすすめ
契約アンペア数を下げれば電気料金は安くなりますが、一度に使える電気の最大量が減ってしまいます。
普段から家電製品を多用している場合は、ブレーカーが落ちやすくなるため、契約アンペア数は慎重に検討しましょう。
電気料金を節約したいなら、電力会社の乗り換えもおすすめです。
電気のアンペア数や使い方はそのままでも、電気料金を節約できる可能性があります。
電気とガスをセットで契約すれば、ガス代もお得になる可能性もあるので、ぜひ検討してみてください。

