【2026年最新】市場連動型は電気代が高騰しやすい?過去事例やリスクを抑える方法を解説
市場価格に応じて電気料金が変わる「市場連動型」は、電気代が高くなるリスクがあります。
しかし、電気の使い方などによって、電気代の高騰リスクを抑えることも可能です。
この記事では、市場連動型の仕組みや電気代との関係を解説します。
併せて、市場連動型の電気代高騰リスクを抑える方法も紹介します。
市場連動型とは

市場連動型とは、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格に連動して、電力量料金単価が変動する料金プランのことです。
スポット市場では1日を30分単位・48コマに分けて取引が行われ、電力の需要と供給のバランスによって価格が決まります。需給は主に以下の要因で変化します。
- 燃料の価格や調達状況
- 天候(気温による冷暖房需要、太陽光発電の発電量など)
- 時間帯

つまり、市場で電気が足りなくなると価格が上がり、余ると価格が下がります。
その動きが電気代に反映されるのが市場連動型プランです。
市場価格を電気料金にどう反映するか(30分ごとか、月間平均か等)は、プランによって異なります。
2016年4月の電力小売全面自由化で料金設定が原則自由になり、家庭向けでも市場連動型プランを選べるようになりました。
市場連動型は電気代が高騰しやすい?

市場連動型は市場価格の影響を受けやすく、一般的に電気料金の上限設定もないため、電気代が高騰する可能性があります。
電気料金が上がりやすいのは、以下のようなタイミングです。
- 冷暖房機器の需要が高まる夏や冬
- 太陽光発電量が減る雨や曇りの日、夜間
- 世界情勢などで燃料価格が高騰している時期
- 火力発電所や原子力発電所でトラブルが発生したとき
一方で、タイミングによっては電気代が安くなる場合もあります。
年間を通して見てみると、市場連動型だからといって必ずしも電気代が高騰するわけではありません。
市場価格が高騰した過去の事例と2026年現在の状況
市場価格が高騰した過去の事例は、以下の通りです。
| 時期 | 主な要因 |
|---|---|
| 2020年12月~ 2021年1月 | 厳しい寒波で電力需要が大幅に増加したこと火力発電燃料である液化天然ガス(LNG)が不足したこと |
| 2022年4月~ 2023年3月 | ロシアのウクライナ侵攻を背景に、世界的に燃料価格が高騰したこと円安が進行したこと |
例えば、2021年1月13日の1日平均市場価格は154.6円/kWhまで高騰し、それまでの1日平均の最高値(2018年7月・26.2円/kWh)の約6倍を記録しました。
通常時と比べると10倍以上の価格です。
(参考:2019年度の年間平均価格は7.93円/kWh、2025年度の年間平均価格は11.06円/kWh)
2023年以降は市場価格も比較的落ち着いて推移してきましたが、2026年は中東情勢を背景とした燃料価格の上昇などにより、市場価格が再度高くなっています。
(参考:2026年7月の月間平均価格は17.91円/kWh)
出典:スポット市場価格の動向について|電力・ガス取引監視等委員会
出典:スポット市場価格(年度平均)|一般社団法人 日本卸電力取引所(JEPX)
市場連動型の電気代高騰リスクを抑える方法

市場連動型の特徴を踏まえて、電気代の高騰を抑えるポイントを解説します。
ピークシフトを実践する
ピークシフトとは、電気を使う時間帯を市場価格が高い時間帯から安い時間帯に移動させることです。
ピークシフトを実践すれば、電力使用量が同じでも電気代を削減できます。
具体的な方法の例は、以下の通りです。
- 市場価格が安い時間帯にまとめて洗濯をする
- エコキュートの沸き上げ時間を市場価格が安い時間帯に設定する
- 市場価格が安い時間帯に蓄電池を充電し、高い時間帯に放電する

市場価格が安くなりやすい時間は、電気の需要が低い深夜・晴れた日の昼間などです。
市場連動型プランを提供する電力会社の多くは、公式サイトや専用アプリで翌日の価格を公開しています。
市場価格の変動をこまめにチェックし、行動をコントロールしましょう。
電気の使い方を見直す
電気を使う時間帯を調整できない方や、市場価格の確認を手間に感じる方は、電力使用量自体を減らすのが有効です。
家電製品の使い方を見直すほか、スマートフォンと連携できる「スマート家電」を導入するのも選択肢の一つです。
例えば、スマート家電には以下のような特徴があります。
- 外出先からでも電源のオン・オフや温度調節ができる
- 最適な節電プランで自動運転してくれる
- 使用状況をいつでもモニタリングできる
スマート家電の便利な機能を活用すれば、効率的に節電することが可能です。
従量電灯型の料金プランを検討する
従量電灯型の料金プランは、市場連動型と比べて、市場価格の変動による影響を受けにくいのが特徴です。
料金体系がシンプルで毎月の電気代が安定しやすいため、市場連動型の電気代高騰が不安な方は従量電灯型プランを検討しましょう。
ただし、従量電灯型の料金プランの中には、燃料費調整額を独自のルールで設定する「独自燃調」プランもあります。
市場連動型ほど直接的ではないものの、独自燃調のプランは市場価格の影響を受けやすいプランが多いため、独自燃調ではないプランを選ぶとより安心です。

市場連動型は電気代の高騰リスクを踏まえて検討しよう

市場連動型は、ピークシフトを実践できる方なら電気代を効果的に節約可能です。
しかし、電気の使用時間帯を調整できない方や、電気料金の変動自体に不安を感じる方などは、市場連動型に向いていません。
過去の事例などから電気代の高騰リスクも踏まえた上で、市場連動型が合っているかどうか検討しましょう。

電力会社を見直す際は、割引やキャンペーン内容も要チェックです。
例えば、電気とガスのセット契約による割引で、料金を抑えられるケースもあります。セット契約は、契約先を個別に検討する手間がなく、毎月の請求もまとめられる点がメリットです。
市場連動型に関するよくある質問と回答

市場連動型に関するよくある質問と回答を紹介します。
Q.契約中の電力会社・料金プランが市場連動型か確認する方法は?
契約中の電力会社・料金プランが市場連動型かどうかは、以下のような方法で確認が可能です。
- 検針票やマイページから料金プラン名を確認する
- 公式サイトで料金プランの説明に「市場連動型」などの記載があるか確認する
- 約款や重要事項説明書を確認する
調べても分からない場合は、電力会社へ問い合わせてみましょう。
Q.市場連動型の電力会社が増えているのはなぜ?
電力会社が市場連動型を採用する理由の一つは、市場価格が高騰した場合でも調達コストを電気料金に反映でき、経営を安定させやすいためです。
電力の自由化によって、いわゆる「新電力」と呼ばれる企業が小売電気事業に数多く参入しました。
しかし、過去の市場価格の高騰時に、自社電源を持たず日本卸電力取引所(JEPX)から調達しながら固定単価で販売していた電力会社が大きな損失を被りました。
そのため近年では、市場連動型を採用する新電力が少なくありません。
Q.市場連動型の電気代はどれくらい高騰する?
市場連動型の料金プランの電気代がどれくらい上がる可能性があるかは、明確にはいえません。
以下は、年度別の電力市場のスポット市場価格です。
| 年 | スポット市場価格 (年度平均) |
|---|---|
| 2019年度 | 7.93円/kWh |
| 2020年度 | 11.21円/kWh |
| 2021年度 | 13.46円/kWh |
| 2022年度 | 20.41円/kWh |
| 2023年度 | 10.74円/kWh |
| 2024年度 | 12.29円/kWh |
| 2025年度 | 11.06円/kWh |
この価格がそのまま従量単価ではありませんが、価格幅の参考にしてください。
過去には、スポット市場価格が10倍以上になったタイミングもあります。
しかし、電力市場が落ち着いている時期は、従量電灯型プランより電気料金を抑えられるケースが多いです。
Q.市場連動型で電気代の高騰に対する保険のような仕組みはある?
市場連動型の電気代高騰リスクに対して、電力会社によっては独自の対応策を用意している場合があります。
例えば、以下のようなものです。
- 電力量料金単価に上限が設定されている
- 市場価格が高騰した際に電気代の上昇を抑える仕組みとなっている
対応策が用意されている市場連動型なのか、完全な市場連動型なのかを確認することが大切です。
Q.2026年現在、市場連動型で契約しても大丈夫?
スポット市場価格が2026年7月時点で高い水準が続いているため、慎重に検討することをおすすめします。
以下は、年度別のスポット市場価格です。2026年は上昇傾向にあります。
| 時期 | スポット市場価格 |
|---|---|
| 2025年度(年度平均) | 11.06円/kWh |
| 2026年1月(月平均) | 11.27円/kWh |
| 2026年2月(月平均) | 10.45円/kWh |
| 2026年3月(月平均) | 12.12円/kWh |
| 2026年4月(月平均) | 14.77円/kWh |
| 2026年5月(月平均) | 14.06円/kWh |
| 2026年6月(月平均) | 15.10円/kWh |
| 2026年7月(月平均) | 17.91円/kWh |
ただし、時期や使い方によってはお得になる可能性もあります。
年間の電気代が、市場連動型と従量電灯型、どちらのプランで安くなりそうかを確認しましょう。
適切なプラン選択と電気の使い方で電気代高騰を回避!
市場連動型は電気料金が高騰する可能性があるものの、タイミングによっては電気代を安く抑えられます。
特に、ピークシフトを実践できる方は、市場連動型が向いています。

一方で、こまめに市場価格をチェックするのが面倒な方や、電気代の高騰リスクをできる限り避けたい方は、従量電灯型プランがおすすめです。
どのプランが最適かは、ライフスタイルや電気の使い方によって異なります。
電気の使い方を見直しつつ、効率的に電気代を節約しましょう。


