床暖房のガス代・電気代はどれくらい?エアコンとの比較や光熱費節約のコツも解説
ガスや電気を利用する床暖房は、部屋全体を暖めてくれる便利な暖房設備ですが、効率的に活用するには、ガス代・電気代の目安を把握して使い方を工夫することが重要です。
この記事では、床暖房のメリット・デメリットやガス代・電気代の目安を解説します。
エアコンとのコスト比較や光熱費を抑えるポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
床暖房の種類は大きく2つに分かれる

床暖房の種類は、大きく「温水式床暖房」と「電気式床暖房」の2つに分かれます。
種類ごとの特徴を紹介します。
温水式床暖房
温水式床暖房は、床下に張り巡らせたパイプの中で温水を循環させ、床を暖める設備です。
寒冷地では、一般的に温水の代わりに不凍液を用います。
温水式床暖房の中でも、さらに「稼働方式」ごとに特徴が分かれます。
| 稼働方式 | 特徴 |
|---|---|
| ガス式 | ・ガス熱源機で沸かしたお湯を使う方式 ・電気ヒートポンプ式よりも暖房の立ち上がりが早い ・熱量が大きいため寒冷地でも暖房能力が安定しており、部屋を暖かく保ちやすい |
| 電気ヒートポンプ式 | ・大気の熱や電力によって沸かしたお湯を使う方式 ・ガス式や灯油式よりも、温度が安定するまでに時間がかかる傾向 |
| ハイブリッド式 | ・ガス式と電気ヒートポンプ式を組み合わせた方式 ・つけ始めや昇温時はガス、安定時は電気を利用する ・初期導入のコストが高め |
| 灯油式 | ・床暖房専用の灯油ボイラーで沸かしたお湯を使う方式 ・定期的な給油やメンテナンスが必要 |
温水式床暖房は広い範囲を暖められる上、ランニングコストを抑えやすいことが魅力です。
一方で、配管やボイラーの設置工事が必要になるため、初期費用は高めです。
15畳の部屋に設置した場合、導入費用の総額で200万円を超えるケースもあります。
電気式床暖房
電気式床暖房は、床下に設置した電熱線やパネルを使って、床を暖める仕組みの設備です。
電気式床暖房も「稼働方式」ごとの特徴が異なります。
| 稼働方式 | 特徴 |
|---|---|
| 電熱線式 | ・電熱線に通電し、放熱させる方式 ・電気式床暖房の中でも一般的な方式として広く普及している |
| 蓄熱式 | ・夜間に蓄熱材へ熱を溜め込み、日中に放熱させる方式 ・夜間帯に単価が下がる電気料金プランにすることで、ランニングコストを減らせる |
| PTCヒーター式 (PTC方式) | ・床の温度で電気抵抗が変化する「PTC素子」を使う方式 ・床の温度が高い部分の発熱を抑制して、暖め過ぎを防ぐ |
温水式に比べると熱源機を設置せずに済むため、電気式の方が初期費用を抑えられる傾向にあります。
例えば、15畳の部屋に設置する場合の設置費用は、100万円前後です。
ただし、電気代は使用時間が長いほど高くなります。また、電熱線式やPTCヒーター式は蓄熱性が低い点にも注意が必要です。
床暖房のガス代・電気代はどれくらいかかる?

床暖房の種類別に、ガス代と電気代の目安を見ていきましょう。
ガス温水式床暖房の場合
8畳の部屋でガス温水式床暖房を1日8時間使用した場合のランニングコストは、ガス代と電気代を合わせて約170円です。1か月に換算すると、約5,100円かかる計算になります。
※出典:床暖房を使用した時のランニングコストを知りたい。|東京ガス
ランニングコストは、設定温度などの使用状況によって変動します。なお、床暖房に使う温水は循環しているため、水道料金が増える心配はありません。
電気式床暖房の場合
電気式床暖房の1か月当たりの電気代は、Panasonicの「フリーほっと」を例にすると、以下の通りです。
| 畳数 | 定格消費電力 | 1か月にかかる 電気代の目安 |
|---|---|---|
| 6畳 | 960W | 約2,000円~約4,500円 |
| 8畳 | 1500W | 約3,200円~約7,000円 |
| 10畳 | 1800W | 約3,800円~約8,400円 |
| 12畳 | 2100W | 約4,400円~約9,800円 |
※ひかえめ床温約25度~あたたかめ床温約30度の場合
※出典:床暖房(電気/温水)|フリーほっと(カタログ)|Panasonic
畳数の広いモデルほど定格消費電力が上がるため、1か月の電気代も高くなります。
床暖房のガス代・電気代は高い?エアコンと比較

「ほかの暖房器具と床暖房の光熱費はどっちが高い?」と気になる方もいるでしょう。
代表的な暖房器具であるエアコンと1か月のランニングコストを比較しました。
試算条件・料金前提が異なるため厳密な比較ではありませんが、床暖房とエアコンの光熱費に大きな差は見られませんでした。
| 暖房器具 | 1か月の ランニングコスト |
|---|---|
| ガス温水式床暖房 (8畳) | 約5,100円 |
| 電気式床暖房 (8畳) | 約3,200円~約7,000円 (床温25度~30度) |
| 電気式床暖房 (10畳) | 約3,800円~約8,400円 (床温25度~30度) |
| エアコン (8~10畳) | 約5,800円 (Panasonic CS-C286D) |
※1日8時間×30日使用した場合で算出
※出典:床暖房を使用した時のランニングコストを知りたい。|東京ガス
※出典:床暖房(電気/温水)|フリーほっと(カタログ)|Panasonic
※出典:CS-C286D 仕様・詳細情報|Panasonic
※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会
どの暖房器具の光熱費が安いかは、使い方次第で変わります。そのため、どれか1つの暖房器具だけを使うよりも、それぞれ最適な利用シーンで使うのが効率的です。
床暖房を使うメリット・デメリット

ここでは、床暖房を使う上で知っておきたいメリット、デメリットを紹介します。
メリット
床暖房の主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。
1.足元から部屋を暖められる
床暖房は足元からじんわりと部屋を暖められるのが特徴です。
暖かい空気は上方にたまりやすい性質がありますが、床から熱を伝えるため、足元の冷えを感じにくく快適に過ごせます。
2.普段の手入れが必要ない
床暖房の設備はフローリングの下に隠れているため、日常的なお手入れの負担が少ないのが特徴です。
例えば、エアコンは2週間に1回の目安でフィルター掃除が推奨されていますが、床暖房の場合、基本的にこまめなお手入れは不要です。
3.設置・収納のスペースを取らない
ヒーターやストーブのように、設置スペースを確保する必要がありません。
部屋をすっきりした状態にできる上、使わないときの収納場所も用意しなくて済みます。
デメリット
床暖房には、以下のようなデメリットもあります。
1.初期費用が高め
床暖房は、導入する際の初期費用が高めです。
1畳当たりの費用目安は、新築時で約5万~10万円、リフォーム時で約5万~15万円とされています。
2.定期的なメンテナンスが必要
床暖房は普段の手入れが不要な一方、定期的なメンテナンスが不可欠です。
例えば、ガス温水式床暖房では、10~15年に1回を目安に熱源機器を交換しなければなりません。
3.部屋が暖まるまで時間を要する
床暖房は速暖性に欠けます。
スイッチを入れてから部屋全体が暖まるまでに、一般的に30分~1時間ほど時間がかかります。
床暖房のガス代・電気代を抑える6つのコツ
床暖房のガス代・電気代を抑えるには、以下のコツを押さえましょう。
ここでは、ガス代・電気代を抑える6つのコツを詳しく紹介します。
1.就寝・外出の30分前にスイッチを切る
床暖房は運転をオフにしてもしばらく暖かさが続くため、就寝・外出の30分前を目安にスイッチを切りましょう。
12畳のリビングダイニングで床暖房を30分前に切ると、年間約714円の節約ができます。
※出典:ウルトラ省エネブック|東京ガス
スイッチの切り忘れを防ぐため、タイマー機能を活用するのもおすすめです。
2.スイッチをオンオフする回数を減らす
床暖房は、運転開始から設定温度に達するまでの立ち上がり時に、最もガスや電気を消費することに注意が必要です。
そのため、1時間程度の短い外出なら、つけっぱなしの方がコストを抑えられる傾向があります。
ガス温水式床暖房をエアコンと併用した場合、立ち上がり時のランニングコストは1時間当たり約61円、定常時は約18円です。定常時よりも立ち上がり時の方が40円以上高くなっています。
※出典:ガス温水床暖房の活用方法|ガス温水床暖房|東京ガス
床暖房のスイッチをこまめに切るよりも、省エネモードなどを活用した方がコスト抑制に効果的です。
3.カーペット・ラグを敷かないようにする
床暖房は伝導熱やふく射熱によって部屋を暖めるため、カーペットやラグを敷くのは避けましょう。
暖かさが伝わりにくくなると、必要以上に設定温度を上げてしまう場合があります。
カーペットやラグに熱がこもると、床材の変形・変色を招く恐れもあるため注意が必要です。
放熱性や通気性のある「床暖房対応」のカーペットやラグも販売されているため、購入の際は床暖房に対応しているかを確認しましょう。
4.ほかの暖房器具も併用する
床暖房は立ち上がり時にガスや電力を多く消費するため、先にエアコンやファンヒーターなどの暖房器具で部屋を暖めておく方法も有効です。
速暖性のある器具を使って室温を上げておけば、床暖房に切り替えたときのエネルギーの負担を減らせます。
省エネを意識するなら、暖房器具の設定温度は「室温20度」を目安にしましょう。
外気温6度のときにエアコンの設定温度を21度から20度に下げると、年間で約1,650円の節約が可能です。(冷房2.2kWのエアコンを1日9時間使用した場合)
※出典:無理のない省エネ節約|資源エネルギー庁
5.窓の断熱性を高める
冬の暖房時は、約6割が窓などの開口部から熱が逃げてしまいます。
※出典:クール・ネット東京|東京都地球温暖化防止活動推進センター
窓から熱が逃げないように工夫すれば、床暖房にかかるガス代や電気代を抑えられます。
窓の断熱性を高める具体的な方法は、以下の通りです。
- 厚手のカーテンを吊るす
- 窓に断熱フィルムを貼り付ける
- 雨戸・シャッターを閉める
新築やリフォーム物件で床暖房を導入する場合、二重窓の設置も断熱性を上げる有効な方法です。
例えば、ガラスとアルミサッシの既存窓に内窓を設置した場合、冬場の室温が約2~3度上昇します。
6.ガス会社・電力会社を変更する
「光熱費を下げたい」という方は、電力会社とガス会社を見直すのもおすすめです。
電気やガスの使用量がそのままでも、光熱費を下げられる可能性があります。
電気や都市ガスは、マンションの一括供給でない限り、賃貸物件でも切り替えは可能です。
「どの会社にすればいいかわからない!」という方は、電気とガスのセット契約ができる会社がおすすめです。
電気とガスを別々に検討しなくても大丈夫ですし、「セット割引が付く」「支払いを一本化できる」といったメリットがあります。
床暖房は使い方次第でガス代・電気代を抑えられる
床暖房は以下の方法で、ガス代・電気代を抑えられます。
ほかの暖房器具を併用しつつ、使い方を工夫することでコストを抑えられます。
光熱費を根本的に見直すなら、電力会社やガス会社を変更するのもおすすめです。お得な“セット契約”を優先的に検討してみましょう。

