市場連動型プランとは?仕組みやメリット・デメリット、賢い使い方などを解説
市場連動型プランとは、その名の通り電気の市場価格に連動して電気料金が変わる料金プランのことです。

市場価格によっては電気料金が高くなってしまうことから「やばい」と言われる一方で、上手に活用できれば節約につなげることも可能です。
この記事では、市場連動型プランの仕組みやメリット・デメリットを解説します。
節約につながる賢い使い方なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者

吉田 空 小売電気アドバイザー ライフスタイル事業部長
新電力の営業を10年以上経験している小売電気アドバイザー。これまでに数千人ものお客様へ新電力のご案内を行ってきた。エネルギー領域で培った知識と実績を活かし、現在はライフスタイル事業部の運営をしている。

市場連動型プランとは?他の電気料金プランとの違い

電気料金のプランは、市場価格や燃料費の影響を受ける度合いによって、大きく以下の3つに分けられます。
- 市場連動型プラン
- 従量電灯型プラン
- 従量電灯型プラン(独自燃調)
それぞれのプランの大まかな違いは以下の通りです。
| プラン | 市場価格 の影響 | 特徴 |
|---|---|---|
| 市場連動型 | 受けやすい | ・JEPXの市場価格に合わせて30分ごとに単価が変動する ・うまく利用すれば電気料金を抑えられるが高騰リスクあり |
| 従量電灯型 | ほとんど受けない | ・料金変動が比較的緩やか ・地域電力会社と同じ燃料費調整 ・地域電力会社の規制料金プラン(従量電灯Bなど)は、約款で燃料費調整額に上限が定められている |
| 従量電灯型 (独自燃調) | 比較的受けやすい | ・基本料金や従量料金は従量電灯型と一緒 ・燃料費調整単価が地域電力会社と異なり、各会社ごとに設定されている ・通常の燃料費調整単価より、燃料費の高騰などの影響を受けやすい設定になっている |
市場連動型プランの仕組みと、他の料金プランとの違いを詳しく解説します。
市場連動型プランの仕組み
市場連動型プランは、電気の従量単価が電力の需給バランスを反映した市場価格に応じて変動するのが特徴です。
日本卸電力取引所(JEPX)という電力市場のスポット市場価格を基準に、30分ごとに電力量料金単価が決まります。
従量電灯型プランとの違い
従量電灯型プランは、地域電力会社(旧一般電気事業者)と同じ料金形態を採用しているプランです。
地域電力会社と同じ料金形態なため、料金の変動が比較的緩やかなのが特徴です。

電気の基本料金と単価を比べれば、安いプランなのかどうかがわかるというメリットもありますよ。
また、地域電力会社の規制プラン(東京電力の従量電灯Bなど)だけは、燃料費調整額に「上限」が定められており、燃料費の爆発的な高騰が起きても影響が一定範囲に抑えられるという特徴があります。
従量電灯型プラン(独自燃調)との違い
「独自燃調」とは、地域電力会社と異なる燃料費調整単価を設定しているプランのことです。
基本料金と従量単価は地域電力会社の料金形態と同じですが、燃料費調整額は電力会社がそれぞれ独自のルールで設定しています。
そのため、市場連動型ほどではないものの、燃料費や市場価格などが電気料金に反映されやすいのが特徴です。
従量電灯型プランだからといって、単純に基本料金と従量単価を比べても電気料金が安くなるかわからないというデメリットもあります。
市場連動型プランを選ぶメリット

3つあるプランの中で、市場連動型プランを選ぶメリットを紹介します。
時間帯によって電気料金を抑えられる
市場連動型プランでは、市場価格が低く推移すると電気料金を抑えられます。
例えば、JEPXの市場価格が低くなりやすい深夜から早朝にかけて電気を使うことで、節約が可能です。
また、日中の太陽光発電量が多い時間帯も、電力の供給が需要を上回るため市場価格が下落しやすくなります。
参考として、2026年6月15日におけるJEPXの市場価格(約定価格)は以下の通りです。
| 時間帯 | 単価(円/kWh) |
|---|---|
| 0時~6時 | 13.60~17.31円 |
| 12時30分~13時 ※最安値 | 8.94円 |
| 18時~23時30分 | 17.42~18.67円 |
上記はあくまで基準となる市場価格です。この金額がそのまま電力量料金単価となるわけではないのでご注意ください。
燃料費高騰の影響のタイムラグがない
市場連動型プランは、「燃料費調整額」がないプランが多く、電力市場の価格がそのまま電気料金に反映されます。
燃料費や市場価格が高騰すると電気料金が上がる一方で、高騰が収まればすぐに料金も下がるという特徴があります。
一般的に従量電灯型プランの燃料費調整額は、3か月の平均を2か月後の燃料費調整単価に反映するものです。
反映されるのは燃料費のみで、いきなり値上がりするリスクは抑えられていますが、1か月燃料費が高騰すると3か月分の電気料金に影響します。
どうしてやばい?市場連動型プランを選ぶデメリット

市場連動型プランには、メリットだけでなく「やばい」と言われる要因となるデメリットも存在します。
電気料金が大幅に高くなるリスクがある
市場連動型プランの場合、市場価格が低い時期・時間帯であれば、安い料金で電気を使えますが、市場価格が高騰した際に料金が大幅に高くなる可能性があります。
2020年12月~2021年1月には、寒波による電力需要の急増と、発電燃料であるLNG(液化天然ガス)の在庫不足による供給力の低下が重なり、以下のように記録的な価格高騰が起きました。
- 2021年1月13日:1日の平均価格154.6円/kWh
- 2021年1月15日:コマ単位の最高価格251.00円/kWh
(参考:2019年度の年間平均価格は7.9円/kWh)
世界情勢や気候といった予期せぬ外部要因で電気料金が上がってしまうため、常日頃、市場価格をチェックしておくことが重要です。
出典:2020年度冬期スポット市場価格の高騰について|経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会
電気料金がいくらになるか予測が難しい
電気料金と連動する市場価格自体が変動しやすいため、電気料金の予測が難しい点もデメリットの一つです。
30分ごとに市場価格が変わる点も、料金が予測しにくい要因となっています。
毎月の電気料金にバラつきが出やすいため、電気料金の引き落とし口座やクレジットカードの残高は、少し余裕を持たせておく必要があります。
市場連動型プランに向いている人・向いていない人

市場連動型プランの利用が向いている人・向いていない人には、それぞれどのような特徴があるかを紹介します。
向いている人
以下の特徴に当てはまる場合、市場連動型プランが適している可能性が高いです。
- 市場価格の変動をこまめにチェックするのが苦ではない
- 家電の利用時間を深夜や昼間に集中させられる
- 価格が高騰した際、電力会社の乗り換えをためらわない
まとめると、電力に関する情報をこまめにチェックするのが苦ではなく、使い方の工夫を楽しめる人が向いています。
向いていない人
一方で、以下の特徴に当てはまる場合、市場連動型プランが合わない可能性があります。
- 一日を通したリモートワークなど、常に一定の電力を使用している
- 夕方から夜にかけての電力使用量が多い
- 家族と同居しているため、電気の使用時間や量を調整できない
- ペットのためにエアコンを常に使用している
- 電気の使い方を工夫することが手間だと感じる
- 電気料金が急に上がるのが不安で、毎月一定額に抑えたい
上記のように、電気を使う時間を調整できない人や、毎月の請求額が一定でないことに不安を感じる人は、従量電灯型プランがおすすめです。
市場連動型プランを賢く使うための4つのコツ

市場連動型プランでも、使い方の工夫次第で電気料金を抑えられます。
賢く活用するためのコツについて解説します。
1.市場価格が安い時間帯に電気を使う
市場連動型の電力会社の多くは、市場価格をアプリやWebサイトなどでチェックできます。
市場価格が低い時間帯をメインに電気を使うように心がければ、料金を抑えることが可能です。
例えば、洗濯機や炊飯器などはタイマー機能を活用して、市場価格が安い時間帯に稼働させたり、掃除など家電を使う家事を、市場価格が安い時間帯にまとめて行ったりするのが効果的です。
2.ガスやスマート家電を活用する
電気とガスを併用することで、市場価格が高騰しても対応しやすくなります。

例えば、電気ケトルではなくガスでお湯を沸かしたり、暖房はガスファンヒーターを使ったりするなど、高騰している時間帯にガスをメインで使うのがおすすめです。
また、「スマート家電」を活用するのも効果的です。スマート家電とは、専用のアプリを使ってスマートフォンなどと連携できる家電を指します。
スマート家電を使えば、外出先から家電を操作したり自動でタイマーを設定したりできるため、節約につながります。
3.太陽光発電や蓄電池との併用を検討する
太陽光発電で作った電気を使えば、その分電力会社から供給される電気の量を減らせるため、節約に役立ちます。
加えて、蓄電池を活用することで、日中に太陽光発電で作った電気の余剰分を蓄えられます。
蓄えておいた電気を、電気料金が高くなる時間帯や夜間、曇りの日などの発電量が少ない日に使えば、節約が可能です。
4.料金が高騰したら従量電灯型に切り替える
市場連動型プランを契約したものの思うように節約につながらなかったり、料金が高騰したりしたら、従量電灯型プランへの切り替えを検討しましょう。
従量電灯型プランへと変更することで、市場価格の高騰による影響を抑える効果が期待できます。

従量電灯型プランの中でも、独自燃調のプランは燃料費の高騰の影響を受けやすくなっているプランが多いため注意が必要です。
地域電力会社と燃料費調整単価が一緒の従量電灯型プランを選びましょう。

おすすめの市場連動型プラン

2026年7月現在は、市場価格が高騰傾向にあるため、市場連動型プランを強くはおすすめできませんが、使い方や時期によっては向いている人もいます。
将来的に市場連動型プランの契約を検討している方は、以下のおすすめプランをぜひ参考にしてください。
Looopでんき
Looopでんきは、市場連動型プランの代表的な電力会社です。
専用アプリでいつ電力量料金単価が高くなるのか確認でき、スマートリモコンとも連携可能です。
単価が高い・安い時間帯に合わせて家電を操作できるため、市場連動型プランでも節約しやすいのがポイントです。
加えて、東京ガスエリアであればガスとセット契約も可能で、電気料金の単価が1円/kWh割引になります。
リボンエナジー
リボンエナジーが提供する市場連動型プラン「リボングリーン」は、以下のような割引制度を活用できるのが特徴です。
- 持ち家で契約することで受けられるマイホーム割引
- 世帯人数に応じて割引されるファミリー割引
- ペットを飼っている方向けのペット割引 など
また、リボングリーンでは基本料金と燃料費調整額が0円なのも強みです。
TERASELでんき
TERASELでんきでは、市場連動型プランの「マーケットプラン」を提供しています。
日々の市場価格をメールやマイページから確認できるため、電気の使い方を工夫しやすいのが特徴です。
また、上限付き市場連動型プランである「マーケットあんしんプラン」を選択すれば、市場価格が高騰しても電気料金の高騰リスクを抑えられます。
おすすめの従量電灯型プラン

市場連動型プランだけでなく、市場価格が高騰している時や、市場連動型プランが向いていない人のために、おすすめの従量電灯型プランも解説します。
ぜひ参考にしてください。
エネワンでんき
エネワンでんきは独自燃調ではない従量電灯型プランの中でも、地域電力会社より安い料金プランと、お得なキャンペーンが魅力の電力会社です。
プランについては、使用量帯にあわせて以下の3つのプランから選べるので、世帯人数に関係なくおすすめできます。(北海道を除く)
- エネワンハッピー:1~2人暮らし向け
- エネワンバリュー:3~4人ファミリー向け
- エネワンダフル:4人以上のファミリー向け
都市ガスとのセット契約も強みで、電気とガスの請求をまとめるだけで、毎月330円(※1)のセット割引が適用されます。
※1 東京ガスエリアのセット割引330円/月、それ以外のエリアは220円/月

また、請求額に応じて毎月Pontaポイントが貯まるのも強みです。
エネワンでんきは、定期的にお得なキャンペーンや特典を用意しているので、申し込む際は特典が付くタイミングで申し込みましょう。

CDエナジー
CDエナジーは、関東エリアのみで利用できる、独自燃調ではないおすすめの電力会社です。
ガスとのセット契約も可能で、どちらも地域電力会社・地域ガス会社よりも割安な料金設定で、お得に利用できます。
料金プランは使用量帯にあわせて以下の3プランから選べます。
- シングルでんき:1人暮らし向け
- ベーシックでんき:2~3人ファミリー向け
- ファミリーでんき:4人以上のファミリー向け
関東エリアに住んでいる人は、優先的に検討してみてください。
TERASELでんき
TERASELでんきは、市場連動型プランだけでなく従量電灯型プランも提供しています。
複雑なプランやセット割引等はなく、電気の基本料金や従量単価がシンプルに安い点が魅力です。
加えて、新電力会社では珍しい楽天ポイントが貯められるのも魅力の一つです。
市場連動型プランはリスクを踏まえて契約するのが大切
市場連動型プランの契約を検討する際は、メリット・デメリットの両方をきちんと理解し、リスクを踏まえたうえで契約することが大切です。
市場連動型プランは、電力の市場価格の変動がリアルタイムに反映されるため、市場価格が高騰したら電気料金が高くなるのが大きなデメリットです。
一方で、電気を使用する時間帯を工夫すれば電気料金を抑えやすいというメリットもあります。
市場連動型のデメリットが気になる方は、従量電灯型プランも検討しましょう。


